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[3A4] 進化論革命へ!第2回新今西進化論とネオダ−ウィニズムの対話

種別 ワークショップ
提案者 水幡正蔵(在野の研究者)
趣旨 水幡は『新今西進化論』(発売/星雲社)刊行後、矢原徹一氏や岸由二氏ら進化学者とメ−ル論議を重ね、その進化理論としての合理性を検討してきた。その成果を持ち寄り、日高敏隆氏との直接対談も実現した。この対談で両者は「クジャクの雄尾羽は“適応”ではない」という事実認識で合致し、“適応”ではない進化があるなら「遺伝子コピ−率=適応度」と呼ぶこと自体に、重大な問題があることを浮き彫りにした。これは社会生物学の根本に対する疑問と言っていい。ちなみに新今西進化論では、“棲みわけ”で種社会が分裂する際には、近縁種との差異化をもたらす“種社会求心進化”が起こると説明する。“種社会求心進化”は、いわば種社会が分裂する際に必要な“種社会の旗”を進化させるものであり、クジャクの雄尾羽はこれにあたる。 また、ネオダ−ウィニズムでは配偶者選択を行う主体を“脳モデル”ではなく、事実上“より好み遺伝子”に設定しているが、これも新今西進化論との重大な争点となる。そもそも脳神経系の発達した一部鳥類(例えばコトドリ)や大半の哺乳動物では、配偶者への“より好み”が、種社会における学習によるものであることは明白である。また昆虫も含めて脳神経系を持つ動物では、あらゆる行動は、脳メモリ−に取り込まれた行動プログラムが起こしている。そこで新今西進化論は、学習とは別に昆虫に顕著な“ダウンロ−ド”と呼ぶべき自己プログラミングがあることを指摘し、学習・ダウンロ−ドによって種社会の構成員たちが共有する行動プログラム総体を、“種社会ソフトウェア”と規定した。そしてこれを情報処理システムの“脳モデル”として提唱する。はたして進化論は遺伝子モデルのみに還元したネオダ−ウィニズムで足りるのか。それとも遺伝子モデルと脳モデル(種社会ソフトウェア)の相互作用で説明する新今西進化論を必要としているのか。

予定講演者の氏名、所属、タイトル




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