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[3F2] 魚類の進化多様性理解の比較ゲノム学

種別 ワークショップ
提案者 西田 睦(東大海洋研)
趣旨 脊椎動物は,よく発達した骨格系,筋肉系,神経系,循環系などに特徴づけられる非常に組織化された体制をもっており,著しく高い活動性を有する生き物である。脊椎動物の主要な系統はいずれも"魚型"の動物であるが,そのひとつがわれわれヒトを含む四肢動物となっている。この高度に組織化された活動的な動物の進化を明らかにするには,基礎にある魚型の動物の多様性をしっかりとおさえ,その土台の上に,鍵となる遺伝的変化がどのようなものであったのかを解明することが必要である。21世紀に入り,フグ,メダカ,ゼブラフィッシュという3種の魚類のゲノムシーケンシングが急速に進みつつあり,比較ゲノム学的な側面からこの課題にアプローチする条件が現実のものとなりつつある。一方,魚類のミトコンドリアゲノムの全塩基対解読も急速に進展しており,400種を超える解析から魚型動物の主要な系統間の関係に新たな光が当てられ,比較研究のために不可欠な信頼に足る系統枠が構築されつつある。さらに,脊椎動物とともに脊索動物門を構成する尾索動物(ホヤ類)や頭索動物(ナメクジウオ類)についての研究も,ゲノム解析を含めて大きく展開しており,これらとの比較はさらに立体的な脊椎動物進化の理解をもたらすこと間違いない。本ワークショップでは,これらの新しい研究がどこまで進展しているかを何人かの研究者に提示していただき,より総合的・本格的な比較研究の展望について議論する。

予定講演者の氏名、所属、タイトル




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