[P-006]東アフリカ産カワスズメ科魚類の適応放散の過程におけるlysozyme遺伝子の役割
発表者(所属) 寺井洋平1, 2、山崎亮2、太田遼子2、岡田典弘2 (1名古屋大学理学研究科、 2東京工業大学生命理工学研究科 ) 要旨 東アフリカの大地溝帯に位置する三大湖にはそれぞれ数百種ずつの湖固有のカワスズメ科魚類(シクリッド)が生息しており形態的、生態的に非常に多様化している。これらのシクリッドの種は様々な環境に適応しており、本研究では種が分かれ新たな環境に適応する過程に関与した遺伝子を明らかにし、その進化を検証することを目的とした。 このような遺伝子の候補として細菌からの生態防御に関わるlysozyme遺伝子に着椶靴拭?轡?螢奪匹?c-type lysozyme遺伝子を単離し、配列決定、ゲノムサザンハイブリダイゼイション、選択圧などの解析を行った結果、この遺伝子がシクリッドの適応放散の過程で繰り返し重複を起こし強い正の選択を受けて進化してきたことが明らかになった。このことからシクリッドが新たな環境に適応する際に、lysozyme遺伝子はその環境で効率よく働くように進化してきたことが考えられる。