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[P-008]二枚貝類の殻形態の進化及びその背景にある殻形成について

発表者(所属) 栫 昭太(京都大学大学院理学研究科生物科学専攻動物学教室)
要旨 軟体動物である二枚貝類は、二次的に二枚の殻へと進化したと考えられている。本研究では、二枚の殻へ進化した背景にある発生機構の進化を理解することを目的としている。材料として、二枚貝類であるケガキを用いた。まず、殻形成過程をSEMによって詳細に観察した。次に、殻形成に関与すると考えられているBMP2/4の発現を調べた結果、初期トロコフォア幼生の外胚葉全体で発現が見られたが、その後貝殻腺の陥入と共に貝殻腺における発現が消失した。この結果から殻分泌細胞への分化においてBMP2/4の発現が抑制されることが考えられる。さらに分子レベルでの研究を行なう基盤として、原腸胚期におけるEST解析を行なった。その結果、tubulin及びtektinが繊毛帯のマーカー遺伝子として利用できること、HMG-1が内胚葉に発現していることが示された。これらの結果は、細胞系譜の解析や遺伝子発現の解析に役立つと考えられる。



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