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[P-010]上部白亜系異常巻アンモノイド:Baculites tanakaeの相対成長の推定

発表者(所属) 辻野 泰之(徳島県立博物館)
要旨 異常巻アンモノイド・バキュリテス類は殻が直線的に伸びる特徴的な形態を持つ。バキュリテス類は世界中の上部白亜系から多産し、また形態の進化速度が速いため、地層の国際対比にとって重要な種群の一つである。しかしながら、殻が直線的な形態をとるため、ほとんどすべてが破片化して産出する。そのため、過去の研究では断片的な標本に基づいて記載が行われ、しかも個体成長や種内変異を考慮できずに研究が進められた。そこで本研究では、北海道の上部蝦夷層群から得られたBaculites tanakaeを用いて、破片化した標本から殻成長パターンを導き出す手法を紹介する。これよりBaculites tanakaeの形態特徴を定量的に記載でき、その個体成長や種内変異についても比較・検討することが可能となる。さらにこの手法はバキュリテス類の様々な種類においても応用可能であり、その分類や進化を議論する際に有効である。



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