[P-011]進化的に保存されたER蛋白遺伝子p24α1のヒトでの変異
発表者(所属) 松隈章一(神奈川県立がんセンター臨床研究所) 要旨 ER retention signalをC末に有するp24αは1, 2, 3 のサブタイプに分かれそれぞれ進化的に保存されている。p24α2、p24α3は相互に相同性が高いが(83%)、p24α1はこれらとは54%の相同性を保持している。これらの遺伝子ファミリーについてヒト、マウス、ラット、イヌ、カエル、メダカ、ハエ、線虫の遺伝子を比較した。ヒトp24α1はマウス、ラット、イヌと80%以上の相同性を持つものの、エクソン3でナンセンス変異を起こし、しかも、エクソン3のsplice outによる変異で新たな遺伝子p24α1Δを創生していることが考えられた。p24α1はマウスではすい臓特異的に発現し、ヒトp24α1Δもすい臓特異的発現を示した。マウスp24α1欠損マウスのすい臓形質異常は見られず、この遺伝子の機能は不明であるが、ヒトすい臓のなんらかの進化的機能変化と関わりがあるかも知れない。