[P-014]十脚甲殻類と昆虫類における汎用プライマーを用いたミトコンドリアゲノム全塩基配列決定法
発表者(所属) 山内 視嗣(東大海洋研)・宮 正樹(千葉中央博)・町田 龍二(東大海洋 研)・西田 睦(東大海洋研) 要旨 現在まで,多くの動物の mtDNA 全塩基配列が決定されているが,これまでの手法では,1種分の全塩基配列を決定するまでには多大な時間と労力を要した.われわれは,十脚甲殻類において,PCR を基本とする mtDNA 全塩基配列決定法を確立したのでここに報告する.この手法は,十脚類 mtDNA 用に設計した約 80 個の汎用プライマーを用い,1) mtDNA 全体をロング PCR で増幅; 2) そのロング PCR 産物を鋳型にしたショート PCR により互いに重なり合う40〜60 個の断片に増幅; 3) そのショート PCR 産物を直接法によりシーケンスという3つのステップからなる.この手法は,十脚類 mtDNA に対して開発した手法であるが,昆虫類にも有効であった.今回の発表では,クルマエビ (十脚類) とクロゴキブリ (昆虫類) の mtDNA 全塩基配列決定を例に本手法の概容を説明する.