[P-015]未来予測と過去解釈を用いたカツオブシムシの行動軌跡の新しい解析法
発表者(所属) 深野 毅雄(神戸大学理学部地球惑星学科非線形科学研究室) 要旨 本研究においてはカツオブシムシの行動データを解析し、その行動の未来予測と過去解釈により目的の発生というイベントを検出することを試みた。 まず未来予測を次のように定義する。t時点での過去の状態をt−sからt時刻の状態を定量化して決める。これをt時の過去状態とする。このモデルとして時系列の全ての(t以外)時刻の過去状態の中で最もt時の過去状態に近いものを選ぶ。これがq時の過去状態だとするとき、t時に対する予測値を、q+1時の状態とするのである。このときt時の状態とq時の状態との差が、予測誤差となる。同様に過去解釈も定義できる。最後に各t時の近傍時間間隙で予測誤差と解釈誤差間の相関係数を求め、相関のよいところで両誤差を積算し、その値をイベント指数とする。こうして時系列全体に対してイベント指数を求め、最大イベント指数の前後で時系列、行動がどう変化したか、イベント指数の解析とは独立に調べ、イベント指数がどういったイベントを検出したか解析する。