[ポスター発表一覧に戻る]

[P-023]頭索類ナメクジウオからの脊椎動物嗅覚受容体遺伝子関連遺伝子の単離とその発現

発表者(所属) 佐藤剛毅(京都大学・瀬戸臨海実験所)
要旨 脊椎動物に最も近縁な現生の無脊椎動物、ナメクジウオの感覚神経系、特に化学受容に関しては殆どが未知のままである。そこで、脊椎動物嗅覚受容体遺伝子(OR)の配列に基づいて作成したプライマーを用いたPCR法及びゲノミックDNAライブラリーのスクリーニングを行い、ナメクジウオゲノム上にコードされる7回膜貫通型レセプター遺伝子を単離した。 ナメクジウオOR関連遺伝子はコーディング領域においてイントロンを含まず、さらにその産物のN末側には幾つかのOR特異的モチーフが保存されているものの、C末側はアミンレセプター等の配列と類似性を示すという、無顎類ヤツメウナギORと非常によく似た特徴を持つ。 In situハイブリダイゼーション法によって発現を解析したところ、成体においてVelumの外胚葉性上皮、Oral tentacle上のsensory papillaeといった一次感覚細胞のみならず、Wheel organにおいてもシグナルが観察された。これらの結果から、OR遺伝子群の起源と脊椎動物化学受容器の起源と進化について議論したい。



ポスター発表一覧に戻る