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[P-024]真核生物のPyruvate: ferredoxin oxidoreductase遺伝子の分子進化学的解析

発表者(所属) 守屋繁春 工藤俊章(理化学研究所 生物基盤研究部, JST ICORP, 横浜市立大学 大学院 環境分子生物学研究室)
要旨 水素共生仮説によれば、真核生物におけるミトコンドリアの好気性エネルギー生産系とハイドロゲノソームや細胞質の嫌気性エネルギー生産系は同一バクテリアに由来すると考えられる。しかしながら、それに関する直接的な分子生物学的な証拠は充分に存在するとは言い難い。そこで我々は、実際に嫌気的な真核生物のエネルギー生産系で重要な働きをするPyruvate: ferredoxin oxidoreductase (PFOR) の遺伝子を用いた解析を行うことにより、この仮説を検証することを試みた。分子系統学的解析の結果、進化的距離の関係から考えて真核生物のPFORはミトコンドリアの由来となったalpha-プロテオバクテリアの含まれるクラスターとは異なる側のクラスターに近いことが示唆された。また、ホモロジーモデリングによって推定したPFORタンパク質の三次元構造の比較の結果は、真核生物のPFORタンパクはalpha-プロテオバクテリアの属するものとは異なる側のクラスターのタンパク質に形状が類似していることが示された。



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