[P-025]マイコプラズマ科におけるMycoplasma penetransゲノムの特徴
発表者(所属) 佐々木裕子(国立感染症研究所) 要旨 マイコプラズマ科の細菌は、完全寄生性で、細胞壁やアミノ酸合成経路を欠く。そのゲノムは、サイズが小型でGC含量が極端に低く、遺伝暗号UGAをTrpと翻訳する。これらの細菌は、GC含量が低いB. subtilisを含むlactobacillus グループの細菌と共通の祖先から宿主への適応過程でゲノムサイズを小型化してきたとされている。我々が解析した、M. penetransゲノムは、約1.3Mと大きく、既存の自活生物中最小のサイズを持つM. genitalium(0.58M)ならびに、最も近縁であるU. ureaplasma (0.75M)の約2倍大であった。以下の種との間のオーソログ数は、B. subtilis (586)、M. pneumoniae (433)、M. pulmonis (400)、U. urealyticum (390)、M. genitalium (383)であった。M. penetransは、他の小型ゲノム種に無いB. subtilisと共有する蛋白を有しており、ゲノム小型化圧が弱い可能性が考えられた。