[P-028]南米固有のウドンコカビErysiphe forestalis の系統的位置と進化
発表者(所属) 新家聖子1、Maria Havrylenko2、高松進1 (1三重大生資、 2Universidad Nacional del Comahue, Argentina) 要旨 ウドンコカビは被子植物に純寄生する植物病原菌である。本菌は生きた植物上でのみ生存可能であり、被子植物の進化と密接に関係しながら進化したと考えられる。我々はウドンコカビの起源を推察するため、被子植物の起源地である南半球に注目し、そこに生息するウドンコカビの分子系統解析を行っている。南米固有のウドンコカビの1種であるErysiphe(Uncinula) forestalis は、先端が渦巻き状の付属糸を有する子のう果を形成する事から、Erysiphe属Uncinula節に分類されている。しかし、系統関係をほぼ忠実に反映すると考えられる無性胞子の形成様式が本種と他のUncinula種とで明らかに異なることから、本種の系統学的位置は謎に包まれてきた。本研究では、本種のrDNAの18S,28S ,ITS領域の塩基配列を決定し、系統学的位置を明らかにすると共に、ウドンコカビの起源を推察する。