[ポスター発表一覧に戻る]

[P-031]ガマアンコウ目魚類におけるミトコンドリアゲノム構造の大規模な変異

発表者(所属) 佐藤 崇(東大・海洋研),宮 正樹(千葉中央博),西田 睦(東大・海洋研)
要旨  近年,遺伝子配置の保守性が高いと考えられている脊椎動物でも,ミトコンドリアDNA (mtDNA)の遺伝子配置変動の事例が報告されてきている.魚類でも最近になって配置変動の事例が報告されてきたが,ほとんどが局所的なものである.われわれは,脊椎動物全体の半数近い種を擁する真骨魚類を対象に,このグループ内のmtDNA遺伝子配置を網羅的に調査している. その過程で,生理学の分野では実験魚として良く知られるガマアンコウ目の魚種に,魚類を含む脊椎動物の典型的な遺伝子配置とは大きく異なる配置変動の例が発見されたので報告する.今回見出された遺伝子配置は,mtDNA全体に及ぶ大規模な変化の末に形成されたものと推定された.この目内には少なくとも2タイプの遺伝子配置が存在しており,系統推定の分子指標としての有用性が考えられるだけではなく,ミトコンドリアゲノムの進化の理解に関して重要な意味を含んでいると思われる.



ポスター発表一覧に戻る