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[P-043]東アフリカ産カワスズ科魚類における顎部の種特異的形態に関わる原因遺伝子の検索

発表者(所属) 小林 直樹1, 渡辺 正勝1, 雉本 禎哉1, 中澤 真澄2, 村上 安則2, 倉谷 滋2, 藤山 秋佐夫4, 小原 雄治3, 五條堀 孝3, 岡田 典弘11東工大・院生命, 2理研CDB, 3国立遺伝研, 4国立情報研)
要旨 アフリカ大陸東部、ヴィクトリア湖に生息するシクリッドは、12,000年という非常に短い期間に爆発的な種分化を起こしたことで知られ、進化学のモデル生物と呼ばれている。ヴィクトリア湖のシクリッドは種分化の時間が短かったため、種間でほぼ均一のゲノム構造を有している。一方、種の特徴はそれぞれ遺伝しており、種の形成に関わる遺伝変異は種ごとに固定されていると考えられる。我々は、種内で固定された遺伝的変異の検索により、種分化に関わる遺伝子の検出を行えるのではないかと考えている。  シクリッドは様々な種の特徴を有するが、中でも多様な食性にリンクしている歯と顎の形態は特徴的であり、種の形成に重要な役割を果たしていると考えられる。今回我々はヴィクトリア湖産シクリッドH.chilotes とH.rockkrivensisにおける遺伝子の発現の差をDNA chip を用いて比較した。種特異的な形態が現れ始める孵化後15日目の顎部で、種ごとに異なる発現様式を示す遺伝子が得られたのでここに報告する。



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