[P-056]カメムシ亜目における28S rDNAに基づく分子系統解析
発表者(所属) 鳩間咲子 豊元厚志 多和田真吉 小波本直忠 (琉大院・農・生資科) 要旨 カメムシ類は半翅目(Hemiptera)に属する不完全変態の昆虫である。その強い臭気から衛生害虫として知られている。農作物に深刻な被害を与える植食性の種や、益虫としての利用価値が期待される捕食性の種などがあり、著しく多様性に富んでいるといえる。本研究では沖縄産カメムシ亜目に属する植食性のカメムシ科、キンカメムシ科、ナガカメムシ科、ホシカメムシ科と、捕食性のサシガメ科、カメムシ科に属する計8種の28S rDNAの塩基配列を用いた分子系統解析を行った。中でも、同じカメムシ科でありながら捕食性と植食性に分類される4種の分子系統樹上の位置関係に着目した。今回用いた8種のそれぞれにおける28S rDNAの部分塩基配列約700 bpを決定した。最節約法による分子系統樹を作成したところ、捕食性が分岐した後に雑食性、植食性の種が分岐していた。科は異なるが、形態の類似している植食性のカメムシは同じクラスターを形成した。