[P-065]細胞群体の内部における協力進化のモデル化
発表者(所属) 中山功一(京都大学大学院情報学研究科)、下原勝憲(ATR人間情報科学研究所)、片井修(京都大学大学院情報学研究科) 要旨 生物学では,協力の進化は重要な問題である.これまで,我々は,協力の進化に重要な影響を与える動的離隔に注目し,動的離隔が存在する環境において協力が進化しやすいことを示した.しかし,実際に動的離隔が自然界に存在するのかについては取り上げられていない.また,従来の動的離隔のモデル化では,特定のコロニー内個体数においてコロニーを離隔するモデルが用いられている.これは,自然界に存在する動的離隔と考えるには不自然である.本発表では,実際に動的離隔が存在する可能性がある環境として,細胞群体内部の単細胞生物群を取り上げる.従来の動的離隔のモデル化とは異なり,コロニー内個体数に応じた確率的な離隔によりモデル化する.このとき,細胞群体の内部に存在する単細胞生物が,どのように協力を進化させるのかを実験的に検証することで,単細胞生物群が細胞群体内で協力を進化させる可能性について議論する.