[P-067]mtDNA全長配列を用いた有鱗目(ヘビ・トカゲ)の系統関係の決定
発表者(所属) 村田有美枝1, 2、二階堂雅人3, 2、岡田典弘2、長谷川政美3, 1(1東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻、2東京工業大学大学院生命理工学研究科、3統計数理研究所) 要旨 現在6500種ほど存在する爬虫類の中でトカゲは約3750種、ヘビは約2400種からなり、両者を合わせると爬虫類全体の90%以上を占めている。ヘビとトカゲは形態的に非常に近いことが古くから示唆されており、有鱗目として1つの目にまとめられてきた。これまでに、現存するトカゲ亜目の中ではオオトカゲ類がヘビと最も近縁であるという報告があるが、その分子系統学的研究からの証拠はまだ十分ではない。 そこで本研究では、ほとんど組み換えがなく相同な遺伝子座が一度に入手できることから、塩基配列の比較による系統解析に有用だと考えられているミトコンドリアDNAの全長配列を有鱗目全般について決定し、特にヘビの起源に関する問題を中心としてこれらの系統解析をしたいと考えている。 今回は、Bothrops alternatusを始めとしてこれまでに読み終えたいくつかのヘビのミトコンドリアDNA全長配列について報告する。