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[P-068]アゲハふ節感覚毛に発現する遺伝子

発表者(所属) 尾崎 克久(生命誌研究館)、小野 肇(生命誌研究館)、吉川 寛(生命誌研究館)
要旨  アゲハチョウ科のメス成虫は、ドラミングと呼ばれる前脚で葉の表面をたたく行動により“味見”をし、幼虫が摂食可能な植物であることを確認して産卵する。前脚ふ節には化学感覚毛があり、葉に含まれる化学物質の含有パターンから植物種を認識している。  我々はこれまでに、ナミアゲハメス成虫ふ節ESTの網羅的な解析により、7回膜貫通Gタンパク共役型受容体(GPCR)の重要候補と考えられる遺伝子と、GPCRへ化学物質を運搬する役割を持つ化学物質結合タンパク(chemosensory protein)を発見している。化学物質結合タンパクは当初、嗅覚で特異的に機能するタンパクと考えられていたが、近年になって味覚にも関与している可能性が示唆されている。これらは味覚組織である前脚ふ節で発現していることから、アゲハチョウ科の昆虫が食草を変えながら多様化した進化機構を解明する手がかりになると考えられる。



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