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[P-075]アミノ酸配列選択による立体構造変化とフォールディング過程における立体構造変化の比較:計算機シミュレーション

発表者(所属) 長尾知生子(名大院・情報科学)、寺田智樹(名大院・情報科学)、笹井理生(名大院・情報科学)、四方哲也(阪大・工、阪大・情報科学、阪大・生命機能、東大・総合文化、科技団 さきがけ21)
要旨  タンパク質は、ほどけた構造から特定の立体構造へ自発的にフォールドする。これはランダムアミノ酸配列のポリペプチドにはない性質であり、進化を通じて獲得された能力である。もし、ランダムポリペプチドからタンパク質が進化してきたなら、進化による構造形成と、フォールドによる構造形成の間に相関はないだろうか?  これまでに我々は、「活性中心の数アミノ酸残基が活性に必要な立体配置をとる」という局所構造に関する配列の選択基準で、ポリペプチド鎖全体がフォールド能力を獲得するように進化する可能性を計算機実験によって示した。そこでこのシミュレーションにおいて、選択過程とその最終世代の配列のフォールディング過程の各々で、秩序ある構造が徐々に現れる様子を比較した結果、アミノ酸残基が接触する順序に有意な相関が見いだされた。近似的に分子版ヘッケル則「タンパク質フォールディングは構造進化を繰り返す」が成立している可能性がある。



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