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[P-078]海洋性動物プランクトン・Neocalanus 属カイアシ類の分子系統学的研究

発表者(所属) 町田 龍二(東大海洋研)・宮 正樹(千葉中央博)・西田 睦(東大海洋研)・西田 周平(東大海洋研)
要旨 Neocalanus 属カイアシ類は全海洋で6種が知られ,特に北太平洋において優占する外洋性の浮遊性甲殻類である.われわれは,これまでに開発したプライマーを用いてmtDNA 約4000塩基対を決定し,本属の系統解析を行った.その結果,統計的に信頼度の高い樹形が一つ得られた.得られた樹形と本属カイアシ類の分布を比較し,その種分化のメカニズムと時期を推定したところ,1)本属は熱帯・亜熱帯と亜寒帯,南半球亜寒帯と北太平洋亜寒帯域の2回の異所的な種分化を経てきたこと,2)北太平洋の縁辺海が新たな種を作る上で重要な役割を果たしたこと,3)初期鮮新世(500万年前)以降に本属カイアシ類が北部北太平洋に侵入したこと,4)熱帯・亜熱帯に生息する種はその起源がテーチス海にあることが推定された.



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