[P-080]キイロショウジョウバエの移動性は、ランダムな動きによるものか
発表者(所属) 三笠建次(明海大学歯学部生物学研究室) 要旨 自然集団で採集したキイロショウジョウバエから、8系統を作り、各系統を実験室で飼育して、実験集団を作成し、酒井の移動瓶で周囲に繋ぐ瓶の数を1〜4本の間で変化させてキイロショウジョウバエの移動性を調べた。実験集団は、雌雄15:15と30:30で構成した。移動を起こさせた時間は6時間。周囲に移動したハエを合計し、繋いだ瓶1本当たりの移動力で周囲に繋ぐ瓶の本数の変化に対する移動性の反応を調べた。回帰分析を行ったところ、2(密度)×2(性)×8(系統)=32ケース中6ケースで繋ぐ瓶の本数に反比例して移動力が減少していた。これら6ケースでは移動性はランダムな行動であると思われた。残り26ケースでは、ランダムから期待されるよりは高い移動性を示していた。移動性は遺伝的要因、性、環境要因に依存しており、キイロショウジョウバエの高移動性の淘汰要因として、近縁者間の競争緩和と近親交配の回避の2要因が考えられた。