[P-081]動物の系統発生における上皮クラシックカドヘリンの構造変化
発表者(所属) 小田広樹1、秋山-小田康子1, 2、田川訓史3、Tom Humphreys3、Shicui Zhang4 ( 1 JT生命誌研究館、2 JST、PRESTO、3 ハワイ大、4 青島海洋大) 要旨 クラシックカドヘリン(単にカドヘリンと呼ぶ)は多細胞動物の形態形成を制御する重要な細胞間接着分子で、細胞外領域の構造的差異から脊椎/尾索型、頭索型、無脊索P型、無脊索型が存在する。これらのカドヘリンの構造比較は、棘皮動物で見られるような無脊索P型を原形として、それぞれの進化経路で構造が大胆に変化した可能性を示唆している。今回私たちは、頭索型、無脊索P型、無脊索I型に属するいくつかのカドヘリンに対して抗体を作製し、そのカドヘリンの組織分布と細胞内局在を調べた。それによって、系統発生におけるカドヘリンの構造変化が上皮組織のアドヘレンスジャンクションを構成するカドヘリンに対して起こったことが示された。上皮ジャンクションの構造的、機能的な変化が動物の形に影響を及ぼした可能性と、脊索動物の系統関係及び起源、昆虫の起源に関して議論したい。