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[P-086]なぜナミテントウでは雄殺しバクテリアの感染率が低いのか?

発表者(所属) 中村佳代(広大院・生物圏科学)・三浦一芸(広大院・生物圏科学、近中四農研)・上野秀樹(新潟大・教育)
要旨 ナミテントウは雄殺しバクテリアにより産卵された卵のうち半分が死亡し、孵化するのは雌ばかりの現象が知られている。孵化した雌は孵化しない雄卵を確実に食べることにより生存率が上がる。また、食べられる未孵化卵は雄であるので増殖にあまり関与しない。そのため雄殺しバクテリアはナミテントウ個体群中に拡がりやすと考えられる。しかし、野外でのナミテントウの雄殺しバクテリア感染率は8%前後と低かった。そこで、雄殺しバクテリア感染率が低い理由をシミュレーション・飼育実験等により検討した。シミュレーション実験の結果、感染系統の増殖率が非感染系統の約1.1倍であれば感染系統は低頻度で維持された。これ以外の増殖率では雄密度が低下するなどの理由で感染系統個体群は絶滅した。飼育実験の結果、増殖率のわずかな差は共食いによる生存率の違いで説明できた。



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