[P-088]イチジクコバチが産卵場所を選ばない要因
発表者(所属) 木下智章(九州大・理・生物) 要旨 産卵場所により産卵数や子の生存が制限される場合、メスは産卵場所を選択する行動や産卵忌避物質などを進化させうる。イチジクコバチは花のう内の1つ1つの花に産卵するため、花のうあたりの産卵数は花数によって制限され、イヌビワコバチではメス約2匹分である。さらに1度花のうに入ると翅がとれてしまうので、その後の移動も制限される。しかしそれにもかかわらず、産卵する花のうを選択しているようにはみえず、花のうの入り口に多数のメスがいても次々に入っていこうとする。 今回は、イヌビワコバチを用いて、花のうに入るのにかかるコストに注目し、実験を行った。その結果、1匹目よりも、2匹目以降は容易に花のうに入ることができ、また途中で詰まって死亡する危険も減少することが示唆された。