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[P-100]どのようにして最適性比は実現されてきたのか?:ムネアブラムシ族について

発表者(所属) 遠坂康彦(京大院・農・昆虫生態)
要旨 ヒラタアブラムシ亜科(Hormaphidinae)に属するムネアブラムシ族(Nipponaphidini)において、繁殖に対する資源配分を調べ、系統樹(深津 1999)と比較することで同族における繁殖投資様式の進化を推定した。資源配分として1)投資性比、2)最大クラッチサイズ、3)最大限生むことができる雄の数とメスの数、4)雄と雌の体サイズ比を調べた。その結果投資性比は雌バイアスが祖先的であり、均等性比は二次的であると推定された。性配分を雌バイアスから均等にするには、a)雌数を変えずにオス数を増やす、b)雌胚を雄胚に転換する、c)雄を大きくするの3つの方法が考えられる。最大クラッチサイズの増加および杯の転換はともに1回生じただけであり、a)、b)は何らかの制約を受けていることが示唆された。それに対して、雌雄の体サイズの比は種間で変異に富んでおり、最適性比はc)の方法で実現されていることがわかった。



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