[P-104]ミトコンドリアDNAから見たヒメボタルの遺伝的変異と分子系統解析
発表者(所属) 日和佳政(福井工大・工),馬場弘孝(福井工大・工),草桶秀夫(福井工大・工) 要旨 ヒメボタル(Hotaria parvula)は本州から四国、屋久島を含む九州に分布する陸生のホタルである。このホタルは体の大きさと発光間隔が異なる2生態型が知られている。またメスは後翅が退化して飛翔できず、分布拡散が制限されるため地域固有の遺伝的変異が現われやすいと考えられる。本研究では30地域から採集したヒメボタルについてミトコンドリアND5遺伝子の一部900bpの塩基配列を決定し、分子系統解析によって各地域の個体群について遺伝的類縁関係を調べた。その結果、地域間で最大11.4%の塩基置換が見られ、非常に大きな遺伝的変異が起きていることが明らかとなった。また系統樹から各個体群は大きく分けて3つのグループに分かれた。また、体の大きさは遺伝的分化に影響を与えなかった。