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[P-116]ショウジョウバエのMOLの数はどのようにして変化したのか?

発表者(所属) 館野実、山元大輔(早稲田大学・理工)
要旨  ローレンス筋(MOL)はオスのショウジョウバエに特有な筋肉で、その数は比較的最近、多様化したものと思われる。私たちはどのようにしてMOLの数が多様化したのかを説明することを目標にしている。MOLの数には3つのタイプがあり、全く持たない種(D. teissieri)、1対持つ種(D. melanogaster)、そして2対持つ種(D. subobscura)にわけることができる。melanogasterではMOLの誘導はAbd-B、fru両遺伝子により制御されている。私たちはAbd-BがFruの発現を調節することでMOL誘導を制御しているという仮説を立てた。Abd-B遺伝子の優勢変異Abd-B[Mcp1]/+ではsubobscura同様、2対のMOLが誘導される。従って、D. subobscuraではAbd-B[Mcp1]同様、Abd-Bの発現が拡大していることを期待している。一方、MOLを持たないD. teissieriではfruの中枢神経での発現はD. melanogasterととても良く似ていた。そこでMOLを失った原因はFRUよりも下流にある、と考えた。これらの仮説を検討するため、現在、Abd-BによるFRU発現の調節の検討、そしてFruの標的遺伝子の検索を行っている。



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