[P-118]フグの捕食が進化させる潮間帯貝類の色彩多型
発表者(所属) 繁宮悠介(京大 人・環) 要旨 潮間帯には色彩多型を見せる生物が多い。本研究ではアマオブネ科巻貝類における色彩多型と単型の進化が、魚類(フグ)の頻度依存的捕食によって起こったという仮説を検証する。多数派を食べる頻度依存的捕食が色彩多型の進化要因としてよく知られている一方で、餌が高密度あるいは密集して分布するときには少数派が食べられるという現象はあまり知られていない。今回の発表では、(1)フグが餌の分布パターンの変化に応じて、頻度依存的捕食を多数派食いから少数派食いに逆転させるか、(2)アマオブネ科貝類の分布パターンは、フグの見せる頻度依存性の変化から予測される結果と合うか、の二点について、どちらも支持する結果が得られたことを報告する。