[P-128]細胞内カルシウムイオンチャネル遺伝子族の多様化時期の推定
発表者(所属) 廣瀬希、岩部直之、宮田隆(京都大学大学院理学研究科) 要旨 細胞間シグナル伝達に関与する多くの遺伝子族(PTK,PTP, PLC,PDE,Gαなど)の分子進化学的解析により、重複やドメインシャフリングによる機能の異なるサブタイプ遺伝子の多様化が、海綿動物と他の動物との分岐以前にほぼ完了していたこと、またその多様化の一部は、動物に最も近縁な原生生物である立襟鞭毛虫と動物との分岐以前に既に起きていたことが解明されてきた。本研究では、シグナル伝達に関与する細胞内カルシウムチャネルであるイノシトール三リン酸受容体(IP3R)及びリアノジン受容体(RyR)の遺伝子重複による多様化時期の推定を行うために、カワカイメン及びMonosiga ovataから両遺伝子の単離を試みた。その結果それぞれのホモログと推定される遺伝子の単離に成功した。全ゲノム配列が決定された動物、植物、菌類、原生生物のデータを網羅的に検索した結果をふまえて、IP3RとRyRの遺伝子多様化時期の推定を行う。