[ポスター発表一覧に戻る]

[P-129]無作為に選んだ1つのアミノ酸配列から進化する可能性

発表者(所属) 林 勇樹(阪大院・情報)・坂田 啓司(研究成果活用プラザ北海道)・牧野 祥嗣(富山県立大・生工研セ)・卜部格(阪大院・工)・四方哲也(阪大院・工,阪大院・情報科学,阪大院・生命機能,東大院・総合文化,科技団・さきがけ研究21)
要旨  天然蛋白質の持つ高い機能性は進化の過程で獲得されたと考えられている。本研究では、無作為に選んだ1つのアミノ酸配列から特定の機能を持つポリペプチドへと進化する可能性を実験的に問う。  繊維状ファージfdの大腸菌への感染は、ファージのマイナーコート蛋白質のN2ドメインが大腸菌のF線毛に吸着することで開始する。このN2ドメインを無作為に選んだ1つのアミノ酸配列であるRP3-42に置換したファージfd-RPは、N2ドメイン欠損ファージと同程度の感染能(野生型の約10-7倍)を示した。本研究では、置換したポリペプチド部位にのみランダム変異を導入して10種類程度の変異体ファージを作成し、その中で最も感染能が高いファージを選択する進化実験を繰り返した。その結果、初期進化において無作為に選んだ1つのアミノ酸配列からでさえ、より高い感染能を示すポリペプチドへの進化が可能であることが示された。



ポスター発表一覧に戻る