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[P-133]「擬断熱膨張型」水熱反応装置による化学進化実験

発表者(所属) 二村泰弘1、後藤知将1,2、山口由岐夫2、山本健二1,21国際医療セ研・医療生態、2東大・院工・化シス)
要旨  生命の起原を考える上で、有機化合物の前生物的合成は重要な課題だが、生体高分子の前生物的合成に関しては、これまでに高温高圧水中におけるアミノ酸の脱水縮合によるオリゴペプチド合成の報告が相次いでおり、亜臨界・超臨界水を反応場とする重合反応が注目されている。本研究では、既往の高圧徐冷型(蒲生、山崎のホットプレス法)や高圧急冷型(今井、本多らの流通循環式およびAlargovらの流通式反応系)とは異なる「擬断熱膨張型」の水熱反応装置を試作した。高温高圧から瞬時に室温・体積無限大の系に開放して溶液が断熱膨張するこの装置は、地殻内部のマグマによって温められた高温高圧の水が地表に噴出することを想定している。現在、アミノ酸水溶液を原料に、重合物の生成や光学異性化など生命の起原に関わる諸問題に取り組んでいる。

 なお本研究は、積水化学「自然に学ぶものづくり」の研究助成を受けて実施した。




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