[P-135]イントロン欠失・挿入の進化的時間における変遷:P型ATPaseスーパーファミリーを例に
発表者(所属) 出縄政嗣(京都大学生命科学研究科)、大庭良介(京都大学生命科学研究科)、岡村英幸(大阪歯科大学)、竹安邦夫(京都大学生命科学研究科) 要旨 エキソン・イントロン構造の解析から分子進化を考えるためには、イントロンの欠失・挿入の法則が進化的時間の中で変化していないかを考慮する必要がある。そこで本研究では、P型 ATPaseスーパーファミリーを例に、その変遷を考察した。P型 ATPaseはあらゆる生物がもっていること、基本的な構造は保存されつつ広く機能分化をしていることなどから、本研究のモデルとして適していると考えられる。この遺伝子のエキソン・イントロン構造について、ゲノム解析の終了している3種の真核生物の全ORFを始め、総計126個をデータベースサーチにより集積した。こうして得られたデータを分子系統樹とつき合せ、サブファミリー内/間や遺伝子重複の前後といった遺伝子側と、種/門/界といったその遺伝子を持つ生物側の両側面から各分岐段階で分類し、分類ごとに蛋白質構造との比較や配列の保存性との比較を行った。