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[2E2] 適応放散の進化生態学

種別 ワークショップ
提案者 田中嘉成(中央大)
趣旨 造山活動による海洋島や古代湖の出現によって多くの潜在的なニッチが創出されたとき,その空いたニッチに移住した数少ない生物種が,御影石の床に落ちたガラス玉の破片が飛び散るように一時に多くの種に分化していく.古生物学者達が半世紀前から示唆してきた,この表現型進化のダイナミックな描像は,その後の集団生物学の進展においては検証の的から外されていた.しかし,近年,分子遺伝マーカーによる分析が容易になって分岐時間に対する精度の高い推定が可能になったこと,進化量的遺伝学の発展によって形質の遺伝変異や選択圧の分析法が確立してきたこと,適応形質の分岐および種分化過程に関する実証研究,理論研究が著しく進展したこと,群集生態学の再興によって形質の生態学的分岐の動因となる種間相互作用の研究が集積していることなどによって,適応放散の実証研究と理論的解析は,生態学と進化学の境界領域として最も重要な研究分野となっている.今回のワークショップでは,適応放散した種群の野外研究,放散現象の基礎となる適応形質の分化の実証研究,形質の分岐による食物網の進化に関するシミュレーション実験などの分野における先進的な研究を紹介し,将来の眺望を議論したい.

予定講演者の氏名、所属、タイトル




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