モバイル展示(8/20-23) |
ハンズオン
(8/22) |
タイトル
担当者氏名(所属/専門分野)
概要 |
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ブータンシボリアゲハとその近縁種の系統地理と進化史
矢後勝也(東京大学総合研究博物館/昆虫自然史学)
約80年ぶりの再発見後、国賓で来日されたブータン国王陛下から東大総合研究博物館に寄贈された幻の大蝶(ブータンシボリアゲハ)の実物標本を展示し、その調査史を紹介する。合わせて近縁種も展示しながら、このグループの系統地理や進化史についても概説する。 |
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胎児の進化
小薮大輔(東京大学総合研究博物館/比較解剖学)
様々な哺乳類の胎児や胎盤の標本を展示し、これらの比較から分かる形態進化の歴史と成長の自然史について概説する。「胎児は万有進化の実況とも題すべき、数億年、乃至、数百億年に亘る恐るべき長尺の夢を見る」と夢野久作が空想したように、我々も胎児を手にとり深淵な進化の歴史を幻視したい。 |
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絶滅腕足動物の機能デザイン
椎野勇太(新潟大学教育研究院自然科学系/進化形態学)
絶滅した化石生物の多くは、現在の生物と比較できない不思議な形をしている。太古の海洋底を占有していた二枚貝様の生物、腕足動物の化石標本を展示し、形の役割が実現した巧みな生存戦略について概説する。 |
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獣脚類恐竜に見られる足形態の進化
服部創紀(東京大学大学院理学系研究科/古脊椎動物学)
獣脚類恐竜Velociraptor mongoliensisの足骨格(複製)を、把握時の姿勢を再現した状態で展示する。また、主竜類の祖先的な状態を保持しているワニ類や、より派生的な特徴を示す鳥類の足骨格と比較しながら、獣脚類の進化とともに足の形態がどのように移り変わってきたかを概説する。 |
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シーラカンスAxelrodichthys araripensisの化石史
黒木真理(東京大学大学院農学生命科学研究科/魚類生態学)
シーラカンス類は古生代デボン紀以降から知られており、これまでに現生種を含み約120種が報告されている。本化石の産地であるセアラ州セリエ・アラリペはブラジルの北東部に位置し、淡水域か浅い海に生息していたと考えられており、古生物地理学と種分化の面から注目されている。 |
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植物の上陸と進化
西田治文(中央大学理工学部・東京大学大学院/古植物学)
約5億年前に陸上に進出した植物の進化を証拠づける、さまざまな時代と保存状態の植物化石を展示する。3億9千万年前の”根も葉も無い”植物、2億5千万年前のゴンドワナ大陸の植物、白亜紀の花化石、5千万年前のパタゴニアの植物化石などを紹介する。 |
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植物散布体の多様性
高山浩司(ふじのくに地球環境史ミュージアム/植物系統進化学)
固着性の植物は、種子や果実等の散布体を分散することで次世代に命をつないでいる。東大総合研究博物館が所蔵する種子果実標本のうち、世界最大級のオオミヤシ、最小級のタシロラン、奇妙な形のネジレモダマを展示し、散布体の著しい多様性とその進化史について議論する。 |
モバイル8 |
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ミクロの世界を観る —X線マイクロCTと走査型電子顕微鏡
前川 優(東京大学総合研究博物館/X線CT・電子顕微鏡)
微小な物や見慣れた物も、ミクロのレベルで観察すれば様々な形を見出すことができる。X線マイクロCTと走査型電子顕微鏡を使って貝などの微細な構造を二次元的、三次元的に捉え、その観察データをもとに各機器の特徴と可能性、また博物学との親和性について紹介する。 |
モバイル9 |
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炭素14で年代を測る加速器質量分析計
尾嵜大真(東京大学総合研究博物館/年代学)
東大総合研究博物館に導入された加速器質量分析計(AMS)はコンパクトに設計された炭素14測定に特化した装置である。このコンパクトなAMSの1/10模型や写真、いくつかの部品を展示し、AMS装置や炭素14年代法などについて解説する。 |
モバイル10 |
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初期太陽系の物質進化
新原隆史(東京大学総合研究博物館/隕石学)
宇宙から地球へと落下してくる隕石。これらには、地球には残されていない初期太陽系の出来事が記録されている。東大総合研究博物館が所蔵する非南極隕石のうち、太陽系の誕生直後に形成したと考えられている隕石を展示し、そこに記録されている初期太陽系の物質進化を概説する。 |
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アンデス文明の宗教美術に見る南米大陸の生物相
鶴見英成(東京大学総合研究博物館/アンデス考古学)
紀元前800年頃、クントゥル・ワシ神殿に建てられていた石像(1/5縮小模型)。ジャガー、蛇、毒グモなど危険生物が融合した両面の獣人で、片側では槍を、片側では切断した人頭を抱えている。暴力的な死を司るとともに、その先に豊かな生命の再生をもたらす存在である。 |
モバイル12 |
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鹿の彫刻が施された投槍器
佐野勝宏(東京大学総合研究博物館/先史考古学)
フランス、マス=ダズィル遺跡(1万5000年前)から出土した鹿の彫刻が施された投槍器(複製)を展示する。投槍器で得られる大きな推進力により、人類は初めて遠隔射撃を可能にした。写実的芸術表現が極致に達するこの頃、人類は実用品である狩猟具にも精巧な装飾を施す。 |