[P-085]比較染色体ペインティング法を用いたApodemus属の核型進化の解析
発表者(所属) 松原和純1、梅原千鶴子1, 2、土屋公幸3、松田洋一1, 2 (1北大院・地球環境、2北大・先端研・動物染色体研、3東京農大・農・野生動物) 要旨 Apodemus属はユーラシア大陸の温帯域の森林に生息する小型齧歯目動物種であり、20種以上が存在すると言われている。多くのApodemus属種の染色体数は2n = 46または48であり、総腕数には48から56の変異が見られる。本研究では、A. agrarius、argenteus、gurkha、peninsulae、semotus、speciosus、sylvaticusの7種を対象として、マウス染色体特異的DNAを用いて染色体ペインティングを行い、ハイブリダイゼーションパターンを比較することによってApodemus属種間での染色体相同領域を同定した。また、18S-28S rRNAの染色体上の位置をdirect R-banding FISH法により同定し、染色体上の分布パターンを7種間で比較した。これらの結果に基づいて、Apodemus属7種おける核型進化過程の推定を試みた。