[P-143]ショウジョウバエ卵殻形態の進化的多様性を生み出すEGFRシグナル伝達経路の種特異的な活性化様式
発表者(所属) 中村征史、松野健治 (東京理科大・基礎工・生物工) 要旨 動物のボディプランの進化が、発生を制御するホメオティック遺伝子などの発現パターンの多様化に由来することが知られている。しかし、形態進化とシグナル伝達経路の多様化の関係を、分子レベルで明らかにできた例は、ほとんどない。本研究では、多様な発生過程を制御する上皮増殖因子受容体 (EGFR) が、ショウジョウバエ卵形成過程において種固有の活性化パターンを示し、これが、ショウジョウバエ卵殻形態の進化的多様性を生み出す要因となっている可能性について報告する。また、EGFRシグナル伝達経路の種特異的な活性化パターンを引き起こす分子機構において、この経路を構成する遺伝子のエンハンサー機能や、そのエンハンサーを制御する位置情報の場の意義に関しても考察する。