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[P-148]酵素の耐熱性解析に基づく遺伝子初期進化の検証

発表者(所属) 山岸明彦(東京薬科大学・生命学部)
要旨  酵素の分子進化系統樹をもとに、祖先型酵素のアミノ酸配列を推定することができる。現存する酵素の遺伝子を出発材料として、推定された祖先型のアミノ酸配列を変異導入した祖先型変異酵素を作成した。作成した祖先型変異酵素を大腸菌中で大量発現し、精製した。その耐熱性を測定すると、祖先型変異酵素はもとの酵素に対して耐熱性が上昇する傾向を示した。すなわち、祖先型のアミノ酸配列は酵素の耐熱性を上昇させる傾向を持っていた。この結果は祖先型酵素を持っていた祖先生物が好熱性であった事を示唆している。  今から約37億年前に地球上に生育していたと推定される全生物の共通の祖先が超好熱菌であったという仮説が提案されている。我々の実験結果はそれを支持している。我々の実験結果に基づき、共通の祖先を巡る様々な説を検討する。



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