[P-154]マルチスケールブートストラップ法による系統推定の信頼性評価
発表者(所属) 下平英寿(東京工業大学) 要旨 最尤法,距離行列法,最節約法などさまざまな系統推定法が用いられているが,配列データに含まれる情報量は有限であり,データのバラツキが影響して,どのような推定法も100%正しいとは言えない.そこで推定の信頼性を確率値で数値的に評価することが一般に行われている.特に最尤法ではKH検定やSH検定が用いられ,またMCMC法によるベイズ事後確率の計算も最尤法の信頼性評価とみなせる.より一般的な評価法としてはブートストラップ法が広く用いられている.本講演ではこれら信頼性評価法の互いの関連を数理的および実際のデータ解析を通して明らかにする.さらに近似的に不偏な確率値を計算するために最近開発されたマルチスケールブートストラップ法を紹介する.本手法は,従来のブートストラップ法が適用できる問題には直ちに利用可能である.