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[P-158]スギおよび近縁種の塩基配列多型

発表者(所属) 角友之(九州大学理学府) 吉丸博志(森林総合研究所) 津村義彦(森林総合研究所) 舘田英典(九州大学理学研究院)
要旨 核遺伝子の塩基配列多型からは、同義・非同義置換、遺伝子内組換え、遺伝子系図など多くの情報が得られる。複数の遺伝子座のデータから集団構造などゲノム全体に働く効果と自然淘汰など遺伝子座特異的効果を分離することもできる。アロザイム等を用いた研究から遺伝的変異の量やパターンが世代時間や交配様式など生活史の影響を受けることが知られているが、塩基配列多型を調べることにより、他のマーカーでは検出困難であった過去の集団構造、自然淘汰などの要因の効果を明らかにできる。本講演では、世代時間が長く他殖性のスギおよび近縁種ヌマスギの複数の核遺伝子座の塩基配列多型を調べた結果を、生活史の異なるシロイヌナズナなどとの比較も含めて議論する。スギでは、塩基多様度が比較的低くまた遺伝子座ごとに大きくばらつくこと、遺伝子内組換え量が低いこと、適応的あるいは有害な変異に対する自然淘汰の効果などが明らかになった。



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