系統間での比較ゲノム解析により、大規模なものから小規模なものまで、さまざまなゲノム構造差異が同定されてきた。これらはゲノム進化研究のための重要な手がかりであり、同時に生物進化研究における有用な系統マーカーでもある。ゲノム構造差異を生じる分子機構には、ゲノム断片の重複や欠失、逆位、不等交差、水平移行などが知られている。本ワークショップではゲノム構造進化の分子機構にせまる各種研究を紹介し、その進化学的な意義について議論したい。
1.「Evolution of endogenous Borna-like nucleoprotein elements.」
鈴木善幸(名古屋市立大)
2.「脊索動物ホヤにおけるセルロース合成酵素遺伝子の獲得と機能」
笹倉靖徳(筑波大)
3.「主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域のゲノム構造進化」
椎名 隆(東海大)
4.「近縁種ゲノム比較によって明らかにされる超微小逆位」
原 雄一郎・今西 規(産総研)
5.「栽培イネにおけるExon-Intron構造進化」
田中 剛1,2、Georg Haberer2、Klaus Mayer2(1生物研、2Helmholtz Zentrum München)
6.「反復配列の変異がもたらすミトコンドリアDNA調節領域の多様性と進化」
金城 その子、池尾一穂(遺伝研)、椎名 隆2田中景子(東海大・医)、田中 彰(東海大・海洋)、小見山 智義(東海大・医)